学生投資家相場奮闘記

投資ブログ。日本株を中心に。

スマートβとは何か

株でβというとTOPIX1%の動きに対して何%動くかというのをイメージされると思うが、そういったβとは違うものであることを念頭に入れていただきたい。スマートβは指数の一種。一般的に指数と言えばダウ平均株価等株価の単純平均から時価総額加重平均型がある。多くは後者に属する。スマートβはそういった市場全体の動きを表すものではない。ROE等財務諸表的数値や配当金に注目して銘柄を組み入れる指数のことです。



スマートβで扱われるファクター
時価総額(サイズ) 
   アナリストの調査も中小の株では行き届いていないことが多く、


   三スプライシングが発生しやすい。


バリュー(主にPBR)
   また用語説明等で取り扱いたい。


モメンタム


どのような活用がなされているか
長期リターン獲得に向けて年金運用や投資信託の一種として提供されています。分散投資の一助ですね。アクティブ運用とパッシブ運用の中間といったイメージです。手数料なども含めて。

4751 話題のサイバーエージェントを分析する

ウマ娘で衝撃の決算を出し株価も上昇したサイバーエージェントについてです。

株式分割が行われる前は高くて手が出ないと思ってスルーしていて…注目していたのに今回のビッグウェーブを逃してしまったんです…なので残念ながら後追いの分析です。モメンタムで投資してもよいのですが…


事業はネット広告事業とゲーム事業が2本柱となっています。ネットテレビ局「AbemaTV」に注力。
アベマTVは赤字で有名ですね…



広告事業
ネット広告に関してはリーディングカンパニーと言っていいです。広告と言うと電通や博報堂等言わずと知れた大企業が思いうかかびますが彼らはオールドな産業との関わりが深く、ネット広告のシェアでは堂々の一位です。


最近の取り組みとしては2018年の4月から7月において「AVATTA」をグループ化、さらに新会社5社を設立し、広告やクリエイティブ、AI、新事業分野での積極的な展開を行っています。また、2020年4月官公庁、地方自治体向け「デジタル・ガバメント推進室」を、エンターテイメント産業における収益化のデジタルシフト支援を行う子会社「OEN」を設立しました。


電通は、2018年10月ネット広告大手の「セプテーニHD」と資本提携、並びに「VOYAGE GROUP」と「サイバーコミュニケーション」との経営統合を発表。電通のネット広告費の構成比は9.0%、一方テレビは41.3%を占めるため依然としてネット広告の水準が低いですが、ネット広告に関して今後も拡大を狙ってくることと思われます。


博報堂はどうでしょうか。2019年2月に「D.A.コンソーシアムHD」を完全子会社化、同年11月には「アドウェイズ」との資本業務提携を発表。2020年には台湾の広告大手「GROWWW Media」を子会社化、並びにインドの「AdGlobal360」を買収しています。テレビ広告費の構成比は34.7%と約4割を占めていますが、ネット広告費は21.3%と2割程度で電通よりは進出してきている感がありますね。


近年SNSを中心として動画広告が増えていて、皆が日常的に使うことから今後もネット広告の需要は高まると思っています。年5~10%は業界として成長していくでしょう。スマホの普及でテレビよりもスマホの画面を見る時間のほうが長いはずです。一方で動画広告が流行っていますが、長年テレビ業界と深く関わり動画という媒体で広告を作ってきたので電通・博報堂にも追い上げの余地はあると思います。資本を活かしてМ&Ąで拡大もできますしね。


さて競争の激しいネット広告業界ですがこれからもシェアを維持する力があるのかどうかは注目すべき点ですね。結論から言うと私は維持する力があると考えています。
理由としては主に二点あります。一点目はサイバーエージェントはクリエイティビティを売りにしていること、二点目は先進性です。


一点目は文字通りクリエイティビティさです。サイバーエージェントはテレビ広告に負けないような技術力を売りにしています。


サイバーエージェントは早くからスマホを中心としたネット広告に目をつけて活動してきました。ネット広告は従来の広告業界より業界変化のはやい業界です。他より安い広告店の出現もあったでしょうし、その中で一位を取り続けてきたことは信頼に値します。

上は2019年の記事ですが、今でも当てはまると思うのでシェアします。この記事では二極化をするといっています。「一つの極は最新の技術の蓄積を続け、大手広告主のニーズを掴み続けるガリバー、もう一つの極はニッチ需要に応える特化型代理店です。」
サイバーエージェントはこの一つの極にいるといえます。


この技術の蓄積による先進性が二点目の理由になります。サイバーエージェントの面白い取組として極予測AIというものがあります。敵対的生成ネットワークで架空のAIモデルを大量に作り、極予測AIで効果予測を何度もシミュレートすることで企業、ブランドに応じて最適なターゲティングのAIモデルを生成、そこから広告効果を出すAIモデルに育成するというものです。現在特許出願中です。

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Abema TV及びその他周辺事業
現在赤字のアベマTVは赤字です。テレビに追いつくユーザー数の基準の目安として週間利用者数1,000万人になりますが、現在は600万ユーザー程度です。
そのため、面白いコンテンツを作るために製作費が莫大にかかり、現在は赤字が大きくなっています。オリジナルのドラマ、24時間のニュース等々といった感じです。
地上波と比べて、インターネットテレビは視聴者の膨大な動画視聴データを得られる強みがあります。その点でAbema TVには先行者利益を獲得しているといえますし、そのデータを広告に活かすということも考えられます。この赤字を許容できるのは広告事業によって体力があるからですね。少し収益という意味では短期目線でいうと厳しいと言わざるを得ませんが、課金ユーザーを獲得し黒字転換するかどうかは今後の大きなカタリストになりそうです。


周辺事業としてWINTICKETがあります。公営ギャンブルでスマホ決済サービスを提供しています。アベマTVには競輪のチャンネルがあるのでそこからの流入も期待できそうです。今後はほかの公営ギャンブルへの進出が見られると面白いと思います。パチンコとかの駐車場を見るとすごく駐車台数多いですよね。ギャンブルって市場規模はかなりでかいんです。


投資事業
アジアにも拠点を持つ国際的なファンドを有しています。原資としてはやはり広告事業で稼いでいるのですが、投資後の実績が凄いです。200社程度保有しているのですが70社がエグジットしています。有名どころでいうとレアジョブやsansan、BASEなどです。将来的なエグジットで期待できそうな会社でいうとnoteやタイミー、Heyなどが該当します。シード期から投資している企業が多いのにこのヒット率は驚異的です。


ゲーム事業
ウマ娘なくして今のサイバーエージェントの株は語れないでしょう。概要としてはジャンルは育成シミュレーションゲームで、競走馬を萌え擬人化したキャラクターである「ウマ娘」を育成し、「トゥインクル・シリーズ」と呼ばれるレースでの勝利を目指すという内容。育成システムが練りこまれており、スピード・スタミナ・パワー・根性・賢さという5つのステータスがあるのですがただ育てるだけではなく、対人戦があることでポケモンの対人戦にあるような環境が存在するのです。5つすべてを盛りに盛るということは仕様上難しく育成されるウマ娘は千差万別。これはゲームの寿命を長くするうえで非常に重要な要素だと思っています。例えば一つのステータスの重要性がとびぬけていると環境がそれ一色になってしまい、課金するにはそれに関連するものだけをとりあえず手にしておけばいいというものではなく継続的課金引き付け要素になりそうです。この5月までに2月から600万ダウンロードを記録しておりかなりハイペースです。3月、4月で約300億ほどの売上を達成しています。今後も新キャラの登場で売上が続くと考えられます。ヒットしているスマホゲームで所謂キャラゲーに相当するゲームではSNSで二次創作の絵がどれだけいいね数を集めているかは調べるといいかもしれませんね。


またサイバーエージェントの強みとしてゲーム単体で終わらずにライブやグッズでも収益を上げることがあります。プリコネやグラブルが事例に相当します。グラブルはアプリ単体での売上と決算資料の売上を比較すると約10倍にまでに増加します。アニメなどからも収益を得られるのです。調べたところアニメの円盤にゲームのシリアルコードが付随しており、そちらを買った方が課金効率が良いのだとか…


今後はリアルの競馬とどのように関わっていくかも注目ですね。自分はリアル競馬のほうに関連する株もチェックしています。


その他
チャレンジ精神旺盛な風土であり「チャレンジして失敗した者にはチャンスを与える」という企業カルチャーがあります。「新卒社長」という制度があって、入社数年の社員を対象に、新規事業の社長となり、自身の給料設定から、事業計画まで、全てにおいて権限と責任を負わせることにより、能力と経験を最大限に伸ばす制度のようです。凄いですよね、裁量権の塊です。「新卒の能力を引き出し成長させるには、子会社社長のポジションを与えること」という藤田社長の方針により作られたそうです。


半年に一度、社員の更なる能力の引き上げを目的に、育成計画を話し合う「人材覚醒会議」を実施しているそうです。この会議では、人材のみにフォーカスして議論することで、人材育成の仕組みの一つとして機能し、その場で決議されたことが翌月の組織変更にダイレクトに反映されたり、体制作りや仕組み作りにも活かされるそうです。このスピード感はなかなか他にはないんじゃないでしょうか。

CAPMとは何か 株主資本コストを考える


CAPM の概念と式
CAPMとは何か?capitasl asset pricing modelの頭文字を取っている。どういう概念化と言うとA社に投資する投資家はどれぐらいのリターンを望んでいるかということです。株式に投資することには当然リスクを伴います。無リスク資産に投資するよりはリターンを求めるわけです。株式市場が持つリターンの無リスク資産に対するプレミアムをマーケットリスクプレミアムといいます。
CAPM=Rf+β(Rm-Rf)
βは下で解説します。Rm-Rfがマーケットリスクプレミアムですね。ここの値は正確なものがあるわけではありません。

ここに日本の株式市場のマーケットリスクプレミアムを測定してくれているサイトがあります。このサイトのグラフを見れば年によって値が違うことがわかると思います。自分はTOPIXのPERの逆数を使うことが多いです。5~7%で自分でおいてしまっていいと思います。Rfは国債の利回りを使いましょう。


βの意味と求め方
次に登場するのがβです。βはポートフォリオを組むうえで重要だと思うので押さえておきましょう。βは個別株がマーケットが動いた時にどれだけ動くかということを数値化したものです。βが1.2ならTOPIX が1%動いたとき1.2%変動するといった具合です。

日経がランキングを発表していたので見てみました。高いところでは5.79もあるんですね…
βが高いとマーケットが上向いた時はいいのですが下に行くと一気につらくなります。そういう意味でここの管理はすごく重要です。小型株で見ると顕著ですが下落局面だけのβってだいたい上昇時と下落時あわせたβより大きいんです…
βをどのように求めるかを解説したいと思います。(株価データはヤフーファイナンスか何かで月次か週次で取ってこれます)以下エクセルでの計算を考えています。
TOPIXとA社の株価の週ごとの変動率を取った後LINEST関数でyをA社の変動率にセットして算出できます。 何をしてるかと言うとマーケットと個別株式の共分散をマーケットの分散で割ることで求めています。