学生投資家相場奮闘記

投資ブログ。日本株を中心に。

証券会社の手数料無料化


SBIや松井証券等ネット証券が若い世代に対して手数料無料化を打ち出しました。ネット証券はもともと従来型の証券会社より手数料は安かったのですが無料になるとは若い自分からすると非常にありがたいです。


これでビジネスモデルどうなってるんだろうと思って調べましたが上の記事が非常にわかりやすかったです。


IFAに関してなのですが、正直現段階ではピンキリなんだろうなと思います。インターンの斡旋で一度IFAのインターンの面接に行ったのですが、すでにとある金融系の長期インターンの経験があった自分から見てここ大丈夫かな?という印象を受けました。結局そのインターンは辞退しました。


従来型証券会社は正直このようなビジネスモデルに急激に変えていくのは厳しいと思います。より属人的な業務ではありますがウェルスマネジメントをどれだけ拡大できるかがキーになりそうです。日本では外資系金融がウェルスマネジメントで参入してきたこともありましたが根付かず撤退を何度かしています。

ROEとは何か? 自己資本利益率について考える


ROE(%)=当期純利益÷(純資産-新株予約権-少数株主持分)×100
新株予約権などの影響はそこまで大きくないのでざっくりと純資産で割ってしまっていいと思います。ただ注意が必要なことが一点。期末の自己資本を使ってはいけないということです。利益は期中の自己資本を使って稼いでいるのですから(期首+期末)/2


日本のROEは低いのか
伊藤レポートによって8%を目指すようにと言及されたことで話題になりました。この数値は海外の企業と比べると低いのです。なぜ日本のROEは低いのでしょうか?以下の記事を読んでいただけると納得できると思います。

要約すると日本企業はリスクが低いからリターンも低いってことですね。リスクが低いことをもう少しだけ掘りましょう。日本企業は今までリスクテイクしていなかったのです。つまり借入を最適資本構成以下に減らし、かつキャッシュを再投資せず内部留保として手元に残しておいたのです。リスクを抑えた経営ではあったと思いますが、ROEが低い事は当然であったと言えるでしょう。



デュポン分解
ROE は 売上高純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジという形に分解される。
WACCの記事(WACCとは何か 加重平均資本コストを考える - investment-utstudentのブログ)で触れているのですがレバレッジは行き過ぎてもよくないし、適度なレバレッジが大切です。
各々の求め方を式で表すと
(当期純利益÷売上高) × (売上高÷総資産) × (総資産÷株主資本)となります。



ROEを高くなるときはどんなとき?
売上高純利益率にフォーカスすると売上高が単純に伸びる、原価率が下がる、販管費率が下がる場合。


総資産回転率にフォーカスすると固定資産に着目すれば設備稼働率が上がるとき。流動資産に着目すれば棚卸資産回転率、売上債権回転率、仕入債務回転率、キャッシュコンバージョンサイクルが上がるときですね。


財務レバレッジは資金調達で上がります。


何か単語を並べ立てられてもふわっとしてますよね。このあたりはIRなどに質問してチェックしないと予測は困難です。


もっと直接的にROEが上がる事例としては
分子である純利益を増やすための企業活動としてM&A、値上げ、設備投資など
分母である自己資本を減らすための企業活動として自社株買いなどがあります。


М&Ąは被買収企業はプレミアがつくので基本的に株価は上がります。自社株買いは発行済株式数が減ることになるのでEPSが上がり株価が上がります。これらは直接的でわかりやすいのでROEも上がるのですが株価の反応も早いです。

WACCとは何か 加重平均資本コストを考える

Weighted Average Cost of Capitalの頭文字をとってWACCと言います。加重平均資本コストです。これは会社が1円を調達するのにどれだけのコストがかかっているかの数値です。すなわち会社に資本を提供している

CAPM(株主資本コスト)に関してはほかの記事で解説しています。これが自己資本の部分のコストでバランスシートの右上部分の有利子負債のコストを考えます。


で(1-t)の部分が何なのか気になると思います。支払利息は税法上の損金として扱われ、その金額に応じた節税効果があるため、コストの計算にはそれも加味しなければならないのです。この負債コストはようは金利のことなのですが、正確に把握するのは難しいので現在の借入の利子率を用います。節税効果にもう少し触れておくと会社に対して金利が3%でも実質負担は1.8-2.1%くらいです。


企業価値は配当やFCFをWACCで割り引くのですが(成長率は一旦0とします)これ有利子負債コストのほうから有利子負債を増やして、 株主資本を減らすと企業価値が向上するのでは?と思われる方もいるかもしれません。


税金のない世界において考えます。借入金を増やしたとします。このとき加重平均の割合が変化していることを忘れないでください。借入金の返済って配当よりも優先して行われるんです。借入が増えるのは株主にとってリスクが増えてるんです。こうなると株主の要求リターンは増加します。資本構成の変化は株主資本コストの増加で打ち消されることで、WACCは変わらないということになっています。


ただ借入を増やすことは財務レバレッジに相当します。別の記事でROEについて書こうと思っていますが、ROE:Return on Equityとは自己資本利益率のことです。純資産からどれだけ効率的に稼いだしているかを表していますが、これを構成要素に分解したとき一つの要素として財務レバレッジという形でROEを押し上げる効果を持っています。財務レバレッジだけによる高いROEは無意味ですが、適度なレバレッジは効率性を高める上で有用です。