学生投資家相場奮闘記

投資ブログ。日本株を中心に。

4488.T AI insideの衝撃


株式市場に興味を持っていたりするとAI insideの名前を聞いたことは多いだろう。2021年4月、この会社は市場に衝撃を与えた。というのも発表した決算がとんでもない悪材料だったのだ。昨年4月末には23,000円ほどだった株価は2020年11月に一時期9万円台の値を付けた。その後は値を下げ3万円台で行き来していたのだが…株価がものすごく下げたように見えるがこの価格でもPERは120を超えており、この株価を正当化するには相当なバリュエーションストーリーが必要だ。 



では何が起こったのか。AI insideの大口顧客であるNTTとのライセンスの過半数が契約更新がならなかったのだ。最大で1,763百万円リカーリング売上が減少するということだ。これはリカーリング売上の約8割の消失を意味する。



SaaSでは新規契約数と解約率がキーとなるが、この解約数がかなり厳しい状態のようだ。AI insideの製品「おまかせAI OCR」のほとんどは最低利用期間の一年と持たずに解約しているらしい。理由としてはコスパの悪さが挙げられるのかもしれない。参考として

このサイトを見てみると理解が進むかもしれない。



SaaS株においてこれまでAI insideのような売り方は市場として好感を抱かれていたのは上記PERを見ればわかるだろう。だが今回の件で大きなリスクを晒したということだ。というより私は今まで市場がSaaSというだけで評価しすぎていたように思う。テーマと株価が9万円台から3分の1になっているというだけで飛びついてしまった個人投資家もいるだろう。



そして参考にしたいと思ったことをTwitterで見かけたのだが元ツイートを見つけられなかったので内容を要約させていただくと「AI inside上場前の株主に有名どころのVCがいない」ということだった。このような視点はなかったので非常に興味深い。今後上場してからあまり時間がたっていないところはそういう点も観ていきたいところだ。



高いPERがEPSの伸びによって落ち着いていくのはよいが、高PER銘柄はボラリティも伴う。安易に言葉だけに飛びついて買ってはいけない。今回の件はSaaS企業を見る目を養うのに非常に良い機会だと思う。自分の次の投資に活かしていきたいところだ。