学生投資家相場奮闘記

投資ブログ。日本株を中心に。

ROEとは何か? 自己資本利益率について考える


ROE(%)=当期純利益÷(純資産-新株予約権-少数株主持分)×100
新株予約権などの影響はそこまで大きくないのでざっくりと純資産で割ってしまっていいと思います。ただ注意が必要なことが一点。期末の自己資本を使ってはいけないということです。利益は期中の自己資本を使って稼いでいるのですから(期首+期末)/2


日本のROEは低いのか
伊藤レポートによって8%を目指すようにと言及されたことで話題になりました。この数値は海外の企業と比べると低いのです。なぜ日本のROEは低いのでしょうか?以下の記事を読んでいただけると納得できると思います。

要約すると日本企業はリスクが低いからリターンも低いってことですね。リスクが低いことをもう少しだけ掘りましょう。日本企業は今までリスクテイクしていなかったのです。つまり借入を最適資本構成以下に減らし、かつキャッシュを再投資せず内部留保として手元に残しておいたのです。リスクを抑えた経営ではあったと思いますが、ROEが低い事は当然であったと言えるでしょう。



デュポン分解
ROE は 売上高純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジという形に分解される。
WACCの記事(WACCとは何か 加重平均資本コストを考える - investment-utstudentのブログ)で触れているのですがレバレッジは行き過ぎてもよくないし、適度なレバレッジが大切です。
各々の求め方を式で表すと
(当期純利益÷売上高) × (売上高÷総資産) × (総資産÷株主資本)となります。



ROEを高くなるときはどんなとき?
売上高純利益率にフォーカスすると売上高が単純に伸びる、原価率が下がる、販管費率が下がる場合。


総資産回転率にフォーカスすると固定資産に着目すれば設備稼働率が上がるとき。流動資産に着目すれば棚卸資産回転率、売上債権回転率、仕入債務回転率、キャッシュコンバージョンサイクルが上がるときですね。


財務レバレッジは資金調達で上がります。


何か単語を並べ立てられてもふわっとしてますよね。このあたりはIRなどに質問してチェックしないと予測は困難です。


もっと直接的にROEが上がる事例としては
分子である純利益を増やすための企業活動としてM&A、値上げ、設備投資など
分母である自己資本を減らすための企業活動として自社株買いなどがあります。


М&Ąは被買収企業はプレミアがつくので基本的に株価は上がります。自社株買いは発行済株式数が減ることになるのでEPSが上がり株価が上がります。これらは直接的でわかりやすいのでROEも上がるのですが株価の反応も早いです。